一人暮らしをはじめて、母が料理する姿を全然見ていなかったことを後悔した。
洗濯や掃除といったさまざまなお手伝いも、なのだけど、料理はとりわけ未知だった。
強火・中火・弱火もよく分からない、ことこともよく分からない。
レシピ本なんかで、なんとなく知ってるつもりだった言葉たちは、いざ台所に立つとあやふやなものばかりだった。
そんな私に、こういう風にやってみたらどうかしら?と、先生役を果たしてくれた本がこの「十八番リレー」です。
高山なおみさんが教える形で書かれた本
この本の著者は、高山なおみさんと川原真由美さん。
高山さんは料理研究家で、川原さんはイラストレーターさん。
きょうの料理で連載されていたそうだ。
料理にすごく興味がある人と、無頓着な人という取り合わせ。
川原さんは、自分のために料理をする。分からないこともあるけど、食べれるものは作れている。まあ いいか という毎日。
わざわざ料理教室に行ったりはしないけど、分からないことたくさんある!
って人、きっと多いと思います。かくいう私もそうでした。
そんな人に、とっても優しくて、いい本です。
どんなことが書いてあるか
おはこは24まで。おひたしからちょっと凝ったタイカレー、パンケーキなんかものっている。
私はこの本にのっている料理をいくつも作った。いつか全部作りたい。
こんなに色んな料理があると、全部通して作ったら、すごく力がつくだろうなと思う。
野菜の切り方や絞り方 下準備のさらに前
レシピの前に、2人が作っている(教わっている)ところを、会話形式でのせてある。
ここがとっても勉強になる。
例1:まな板にどういう体勢で向かい合うか
高山さんは食材に話しかけているみたいまな板との距離も近い
私こと川原さんはまな板から体が離れていて、球をよく見ないバッターみたい
そんな風に書かれていて、私は次に野菜を切る時、体をしっかりまな板に向かうよう意識する。
例2:小松菜の絞り方
中の水分まで絞らないイメージで絞ってみる
ぎゅうぎゅうやっていたし、水が切れればいいと思ってた。
おいしくは、余分な水分が切れたらいい。
食材の特徴や切り方の話も、イラストでたくさん紹介されている。小さな学びが山ほど散りばめられていて私にとってこの上ない教科書でした。
細かくて書ききれないタイミングの話
火加減や食材を入れるタイミングについては、実際に作っている過程のやりとりがすごくよかった。
しっかりとフライパンや鍋に耳をすませて、どういう音がしているかで判断するという話を高山さんがよくされていた。
これってすごいな!と思ったのが、普通のレシピなら「炒めます」と一言で書かれているところが、何行にもわたって説明されていることになる。
今まで食材がしんなりしたらとか油が回ったら火が通ったらと書かれていて、これは一体どういう状態なんだろうと思っていたものが、かなり解決された。
そんなこと細かに書けないのは分かるけど、初心者にはこれこそ必要だよね、と思う。
写真やイラストで工程の説明があったり、野菜の切り方だけで一覧にまとめられてるようなページがあるわけではないのですが、間違いなく初心者向けの本だと思いました。
まとめ
もっと母や祖母が料理しているところを横で眺めていればよかったと何度も思ったけれど、この本が、その代わりをしてくれました。私にとってすごくありがたい本でした。
あっ、1番大切なことを書いていなかったけど、どれもこれも、おいしいです!
丁寧だけど、複雑ではないです。
食材1,2品で作るレシピは、他の野菜でも作れると思う。
基礎の基礎、的な本がいまいちだった…というあなた、十八番リレーが手を差し伸べてくれるかも。
目次を見て、食べたいものが3つあったら買ってください。
自分が作ったものがおいしいというのは、この上なく幸せな気持ちをくれるから。
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