今さらのようにプロフィールを書きました✑ 見てね~:)

ツバキ文具店|あれ?文具…? 代書屋さんが主人公のお手紙の話

ツバキ文具店感想 本の話
ツバキ文具店感想
この記事は約4分で読めます

幻冬舎文庫より、8月の新刊として文庫化されました。
小川糸さんのツバキ文具店!

文具好きとしては気になりつつ、文具店の話か~ふ~ん…と、読まずにきていました。
お客さんにぴったりの文具を紹介する話かな?と想像していました。

 

いざ読みはじめてみると、そもそも文具<代書!

 

文具店 兼 代書屋が舞台だったんです!
なので、お話は持ち込まれる代書の以来の話が中心となって進んでいきます。
文具店があるのは鎌倉なので、実在するごはん屋さんやお出かけスポットも多々登場。

・手紙が好きな方
・鎌倉に遊びに行きたい方
・毎日の生活になにか楽しみがほしい方

にオススメな1冊でした!

 

字が書けなくて代書をたのむ2人

 

なぜ代書を頼むのか、これはさまざまなな理由があります。

 

お悔やみ状の書き方がわからない
借金の申し出を断りたいから上手いこと書いてほしい
昔好きだった人への手紙 自分の字では誤解を招きかねないので、女文字で手紙を代筆してほしい

 

これらは全てお話の中で出てくる依頼。

 

私が特に印象に残ったのは、頼む理由が自分では“書けない”ことにある2人の依頼です。
ただ、代わりに文面を考えて、綺麗な字で手紙を完成させるだけではなく、まさに“代わりに書く”ことが描かれていました。

 

1人はどれだけ練習しても綺麗な字が書けないという女性

もう1人は母宛に、天国の父からの手紙を書いて欲しいという男性

 

綺麗な字が書けない、という女性。
こちらは、詳しくは描写されませんでしたが、文字を一つの形として捉えることができないという話があったので、書字障害(ディスグラフィア)の人をイメージして描かれたのだと思います。

散々、周りから、字には心根が出ると言われ続けた女性。
でも、どれだけ努力しても、どうやっても無理だった、と、彼女自身の口からその苦しみが語られます。

 

代書を請け負う 主人公の鳩子自身も、字が美しくないのは書く人の心がそうさせる、とずっと誤解していたと最後に依頼主に打ち明けます。
字に対して、努力すればどうにかなるものというイメージは、強いのではないでしょうか。でも、そうでない人もいる。

 

鳩子が代書したカードを依頼主に見せた時の反応は、今までどれだけ悲しい思いを繰り返してきたんだろうと彼女の人生に思いを馳せると同時に、これからは、代わりに自分の手となってくれる場所ができたという喜びや嬉しさも、自分のことのように感じてしまいました。

 

 

天国の父からという手紙の依頼も、内容・字と共に、お母さんに“お父さんからの手紙”だと思ってもらわなければなりません。

こちらに関しては、なかなか手紙が完成せず、鳩子はスランプに陥ってしまうのですが、手紙をかき上げる場面がとても心に響きます。

 

今、書ける と感じた鳩子が、早く書かなければ、またお父さんの文字が自分の手からどこかに行ってしまう…!という焦りと、それ故のスピード感が短いページにギュッと凝縮されています。

 

こちらも、珍しく依頼主に先に出来上がりを見せるのですが、その反応に、鳩子にも 依頼主の男性にも、共感し、気持ちと目頭が熱くなりました。

 

手紙を書く時に使われる多種多様な文具たち

 

文具店を兼ねているがゆえのこの本の魅力が、手紙を代書する時に使う紙や筆記具がバリエーションに富んでいることでした。

 

私はあまり頻繁には書きませんが、手紙のやりとりはすごく好きです。
便箋と封筒をたくさん取り揃えているわけではないのですが、ポストカードや切手を、相手や季節に合わせて選ぶのはとても楽しいです。
ぴったりくるものが手元にあると、めちゃくちゃ嬉しいのです。
(ピンとくるものがなくて、あの時のあれを買っておけばよかった…!と後悔することの方が多いですが…。)

 

たくさん描かれる手紙たちに使われたのはこんな紙やペンたち。

 

活版印刷
シーリングワックス
ガラスペン
太めの万年筆 モンブラン マイスターシュテュック149
満寿屋の原稿用紙
ボールペン ロメオ ナンバー3
羊皮紙
虫こぶインク
羽根ペン
万年筆 ウォーターマン ル・マン100

 

文具や紙好きなあなたなら、このリストだけですごくワクワクする気持ちを、分かっていただけると思います。

 

特に好きなエピソードは、離婚のお知らせを送る際、宛名書きに使われたインクの話です。

エルバンのグリヌアージュというインクを鳩子は使うのですが、グリヌアージュというのは、フランス語で「灰色の雲」。
薄いグレーのインクです。控えめな気持ちを表現しつつ、雲の向こうにはきっと青空が広がっている、と綴られます。

 

真似したい暮らしの中の気づかいたち

 

ここまでのご紹介では、手紙の代書と文具の話ばっかりなのか、と思われそうですが、この本、かなり日常の描写が豊富です。

文具店があるのが鎌倉なので、鎌倉のカフェやご飯屋さん、神社などがたくさん出てきます。
(文庫化と同時に、鎌倉ガイドも発売されてるんですよ…!上手い…!)

そのお店に行ってみたいと思うばかりか、鳩子と同じように雨の日にここに行きたいなーとか、寒い日にこのお店で私も温かいものを飲んで休憩したいな、と感じるような、魅力的な描写ばかり。

 

お出かけのみならず、毎日の生活や食事の話もちょこちょこ登場します。
そうそう、物語の始まりは、鳩子の朝の日課の話から、なのです。

 

今すぐ鎌倉に行くことは残念ながら叶いませんが、毎日の中でこれを真似したらちょっと楽しくなりそう!という小さな暮らしに対する気遣いのようなものがたくさん描かれていました。

 

例えば、鳩子は代書依頼のお客様へは、飲み物を振る舞うと決めています。
この飲み物が、季節ごとに、その季節らしいものに変わっていくのが、読み進めるうちにすごく楽しみになっていました。

今年はコーヒーや番茶ばかりでなく、ゆず茶やくず湯を用意して、寒い季節を迎えたいな…と思いました。

 

さいごに

 

思わず書きとめた文章や、気に入りのエピソード、勉強になった手紙に関する豆知識…などなど。
お話したいことはまだまだ沢山あるのですが、随分と長くなってしまったので、今日はこの辺で。

 

文具、お手紙好きのあなたが、読んでみたい!と思ってくださったら、嬉しいです!

まゆ(@harni_mau)でした(´ω`*)

 

万年筆やインクを選んでお手紙書いてみたい…!とあなたへはこちら☟

インクを楽しみたいあなたに!おすすめの万年筆
万年筆が気になっているけど、はじめはどれから使うのがいいんだろう…? たくさん種類がありすぎてよく分からないよ…! 使ってみたい!と思って調べてはみたものの、 選択肢の多さに困ってしまったことはありませんか? 万年筆って、メーカ...

文具が好きなあなたへはこちらの記事もおすすめ☟

紙博 in京都 vol.2に行ってきた!混み具合と嬉しい特典の話
こんにちは! 紙もの大好きなmau(@harni_mau)です。 みやこめっせで今日・明日開催の紙博へ行ってきました! 混雑具合や、会場だけの特典を用意されているブースがあったので、ご紹介します。 2018年 夏の紙博の混雑...

 

ハートをつける 1 vote, average: 1.00 out of 1 +1
Loading...

コメント